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10ヵ国語を操るマルチリンガル!言語学習の達人、秋山燿平さんにインタビュー 【前編】

スーパーマルチリンガルとして、国内外のプラットフォームで活躍中の秋山燿平さん。今年3月には、初の著書『純ジャパの僕が10ヶ国語を話せた 世界一シンプルな外国語勉強法』を出版されました。同書では、「最低限必要な単語・文法を覚え、アウトプットを重ねる」というご自身の勉強法が分かりやすく紹介されています。そして、その中で「言語学習の最強の味方」としてHelloTalkとその使い方のコツが、全体にわたって取り上げられています。まさに、日々言語学習に励む、HelloTalkユーザーみなさん必読の一冊です!
今回は、中国・深センのHelloTalkオフィスに秋山さんをお招きし、同書や言語学習、そして人生観について、お話を伺いました。

秋山 燿平(あきやま・ようへい)

東京大学薬学部卒。海外在住経験なし、留学経験なしで独学で複数言語を習得したマルチリンガル。「さんまの東大方程式」(フジテレビ系)に「10ヶ国語を操る超マルチリンガル」として出演し、驚異の語学力が話題となる。また昨年10月より中国のネットで活動を開始し、1年間で3つのプラットフォーム(微博、ビリビリ、YouTube)の総フォロワーが40万人を突破。現在は東京大学大学院を中退し、中華圏におけるインフルエンサーとして活動する傍ら、自ら会社も立ち上げ、自分の言語学習法の普及に努めている。

ーー本日は弊社にお越しいただきありがとうございます。深センにいらっしゃるのは初めてですか?

深圳に来るのは今回で2回目で、1回目は去年11月だったと思います。中国のネットでの活動を始めたのは去年の10月からだったので、それまでは正直あまり縁がありませんでした。

ーーでも、中国語はその前から勉強されていましたよね?

そうですね。半年から1年くらい、日本で集中的に中国語を勉強していた時の知識が残っていて、初めから勉強し直しました。

ーー中国、そして深センについてどんな印象をお持ちですか?

変化のスピードが速いという印象が大きいですね。例えば、3年前くらいに中国の他の都市に行った時、誰も携帯で支払いはしていなくて、みんな現金をポケットに入れて払っていました。それが今来たら、むしろ現金を持っている人はいないという状態で。これはまず日本ではありえない話で、こういうことをやろうと思ったら多分国会で何年も話すということになるので。そこはやっぱり中国のすごいところだなと。特に深圳はそれを一番に象徴する町だと思うので。80年代の深センはただの漁村だったのが、今では世界でもトップクラスの都市になって。特にここって中国のシリコンバレーみたいな感じじゃないですか。そこにはやっぱり、日本にはないスピード感を感じます。

ーー秋山さんは様々なプラットフォームで活躍されていますが、中国のプラットフォームは、国としてITが発展していることで便利だと感じたことはありますか?

正直なところ、支払いの仕組みが発展しすぎて、外国人にとっては逆にやりにくいところもあります。最初は結構大変でした。広告が打てなくなってしまって。今はWechatとアリペイしか使えなくて、クレジットカードでの決済もできなくなってしまいました。結構そこは苦労したんですが、中国の方に手伝ってもらえたので今は回せています。今のところ、国内にいる人にとっては便利ですが、外国の人が活動するのは難しくなった印象を受けます。

ーー秋山さんは10ヶ国語話せることで有名ですが、その中でも特に中国語が得意だとお見受けします。やはり中国で活動されているので、中国語を重点的に勉強されているのですか?

それもありますし、自分の活動先として、東アジアが一番向いているんです。なぜかというと、言語というところから言うと、受験勉強をガチでやっている国には僕はすごく向いていると思っていまして。HelloTalkも含めて自分の勉強法には、「外国人と話すことで言語を学んでいく」というコンセプトがあるのですが、受験勉強においては必要ない話なんです。そこが欠けている国に自分が入るっていうのは、やっぱり相性がいいです。逆に欧米諸国とかだと、外国人と話せる環境はどこにでもあって、自動的に存在してるじゃないですか。そういう国でやってもあんまり意味がないので、やっぱり東アジアやお受験の国でやりたい、かつ市場が大きいということで、中国しかないんですね。

ーー考え抜かれて中国に辿り着いたわけですね。

まあ、必然的だったかなと個人的には思います。

ーー中国語はどんなところが面白いですか?

方言がものすごく多くあるところですね。それぞれで全然違って、もはや別の言語だと思います。小手先の標準語だけじゃなく、色々な方言を学んでいくと、良い意味で「假日本人(ニセ日本人)」と言われるように、中国人に受け入れられていくと感じます。もともと言語が好きなので、学べば学ぶだけ人に好かれていくというのは、僕は結構好きです。

ーー最近は広東語も勉強されていると伺いました。秋山さんの隣に座っている弊社スタッフが広東語を話せるので、少しお話ししてみていただけますか?

〜以下、広東語での会話〜
秋山さん(以下、秋):広東語を話すんですか?
HelloTalkスタッフ(以下、HT):少しだけ話せます。
秋:どこのご出身ですか?
HT:深センの出身ですが、あんまり広東語は話せません。
秋:深センのご出身なのになんで広東語を話せないんですか?
HT:私の両親は潮汕の人で、広東語は母語ではないんです。
秋:でも深センでは外地の人が多いので、広東語が話せなくても問題ないですね。
HT:わあ…私より広東語が上手です。。

ーーすごいですね…。広東語を学ばれているということは、香港での活動も今後増えていきますか?

そうですね。広東語を学んだことによって、香港で取り上げられるようになったというのはあります。昨日は香港で、1日で4件取材を受けました。そういうところが、相手の言語で話すということのメリットだと感じますね。

香港での取材

ーー香港は英語でも普通語(中国の標準語)でも通じる中で、あえて広東語で話すというのは、香港の方にとっては嬉しいですよね。

そうですね。広東語を話す必要はないんですよ。日本で英語が要らないのと一緒で、話せなくても生きていけますし、深センであえて広東語を勉強する必要がないのと同じだと思います。そこで、「あえて話してくれた」という感情が人を動かしますし、言語を強みにしていく上で大事だと思っています。

ーー広東語を勉強していく上で、興味深いと感じたことはありますか?

普通語と大きな違いがあることです。例えば、発音が全く違いますね。普通語を話せると、普通語の発音に引っ張られてしまいます。広東語を勉強する時は、普通語ができるということを一旦忘れて、日本語で広東語を勉強するように意識しています。また広東語には、普通語にはない表現が結構あるので、表現が豊かになりますね。

ーー例えばどんな表現がありますか?罵る表現などでしょうか・・・?

罵る表現は本当に多いです。人を罵ることは良いことではないですが、広東語で罵る言葉を知っていれば、それで香港の人に「こいつ分かってる!」と思ってもらうことはできますね。僕は冗談抜きで、言語を勉強するときは、汚い話になってしまいますが、下ネタや罵り言葉をあえて先に覚えますね。それで相手に気に入ってもらえると、その後の関係も続いていくので、長期的にいろいろ教えてもらえるじゃないですか。やり方としてはありですね。

ーー秋山さんは上海でファンミーティングを開くなど、中国で精力的に活動されていますね。今後の活動について、どのようなプランをお持ちですか?

地名度を上げていくことですね。ただ、知名度を上げていくだけというのはネットに依存しているだけなので、例えばウェイボーがつぶれたら、僕は多分結構ダメージを受けます。YouTuberも同じで、GoogleがYouTubeのサービスを停止したら終わり。ネットで活動している人には、プラットフォームに依存して生きているところがあって、将来的なことを考えるとリスクだと思うんですよ。LINEやWechatだって、10年前にはあったっけなかったっけって感じなので、20年後にウェイボーが残ってるかどうかなんて分からないじゃないですか。だからいち早く知名度を確立した上で、自分自身のブランドを作ることが大事なんです。HelloTalkも、ザックさん(注:弊社CEO)が自分のものとして持っているから、別にウェイボーが潰れたところでHelloTalkは生きていけるわけじゃないですか。自分自身がゼロから作った何かしらのプロダクトを、出来る限り早めに確立していきたい、というのが今の考えです。

(上下ともに)上海でのファンミーティング

ーー今年3月に出された本『純ジャパの僕が10ヵ国語を話せた 世界一シンプルな外国語勉強法』について、HelloTalkユーザーのみなさんにご紹介いただけますか?

簡単に言うと、専門家ではない僕が一個人として、言語学習において成功した方法を共有する、というのが基本的なコンセプトです。難しいことは書いていません。例えば、「日本語はこういう発音だから、英語はこういうふうに発音したらいい」とか、そういう専門的なことは一切書いていません。「こうやったらできるようになりましたよ」というのを、伝えています。対象としては、海外に行った事がない、海外の友達もいない、「純ジャパ」の人です。こういった人たちがゼロからどのように言語の勉強を始めたら良いのかというヒントを与えたくて、この本を書きました。専門家の人は、専門的な観点から本なども書かなくてはいけないと思うので、薄々感じていても書けないことがあると思います。僕は専門家でも何でもないので、「文法はそんなに重要じゃない」といったことも平気で言えてしまうんです。受験勉強などに対して薄々「これは違うんじゃないか」と感じている人には、共感してもらえるんじゃないかと思います。

ーー秋山さんは、言語学習について「必要のない単語は学習しなくてよい」「外国人と積極的に交流するべき」とおっしゃっていますね。ユーザーのみなさんに、HelloTalkを使った言語学習の秘訣をご紹介いただけますか?

HelloTalkはどちらかと言うと、「広く浅く」の学習ツールだと個人的には思っています。ネット上だからこそ、興味がなければやめられてしまう。逆に、深くなってストーカーされてしまうという危険性もないじゃないですか。日本の国際イベントがあったら、そういうリスクはあります。なので、ちょっと話したいと思ったら、そのときに空いている人を適当に見つけて少し話す、というのができますね。僕がHelloTalkを使うときは、推奨されている使い方かは分かりませんが、一人の人と長く言語交換を続けられるか分からないので、できる限り多くメッセージを送っていますね。

ーーちなみに1通目のメッセージにはどんなことを書いていますか?

本にも詳しく書いていますが、完全にコピペだとすぐに見分けられて、返信されなくなります。僕はちなみに死ぬほどメッセージが来ます。今は2000通ぐらい未読メッセージが溜まってるんですけど。

ーー“Hi”とか「こんにちは」しか書かない人は結構多いですよね…

はい、そういうのにはまず返さないです。そこで、自分の独自性をどれくらい出せるかというのがポイントです。相手の国について、ネットで少し調べただけでは分からないことを載せると、結構返信してもらえるようになります。例えば中国だったら、「上海が好き」とか「上海に行きたい」という言葉は、1万人くらいの人が言っていると思います。それが例えば、もうちょっとマニアックな都市や食べ物の名前が書いてあれば、「ちょっとこいつは違うな」って思ってもらえるじゃないですか。その「おっ」という反応があれば、返信率は上がってきますね。最初のメッセージは意識した方がいいです。

コピペで送ってくる人はすごく多くて、「ムダだなー」と個人的にすごく思うんです。しかもHelloTalkというのは、長く続く人は少なくて、大体1対1で会話したときは数日で終わるときが多いので、最初ってすごい大事なんですよ。最初を軽視して適当に送ってしまう人っていうのは、HelloTalk上では損してるんじゃないかなと思いますね。

ーー今、秋山さんのプロフィールを拝見すると、インドネシア語を勉強されていますが、インドネシアの方にはどんなメッセージを送っていますか?

インドネシアは親日の国で、かつインドネシア語を勉強している日本人ってめちゃくちゃ少ないので、ここに関して言うと正直競合は少ないです。ありきたりのメッセージでも全然いけます。でも僕だったら、最初の「こんにちは」は、アラビア語にしますね。

ーーアラビア語!

なんでかって言うと、イスラムの国じゃないですか。なので、そこだけ「Selamat siang.スラマット・シアン」じゃなくて、「السلام عليكم アッサラーム・アライクム」にするだけで、「え、君はアラビア語できるの?」って絶対に返信が返ってきます。そこから話が始まって、「僕はアラビア語ができるんだけど、今はインドネシア語もやっているんだ」と言ったら、90%は返ってきますね。僕はアラビア語で差を出していますが、多分インドネシア語だったら普通にやっても大丈夫だと思います。

ーー外国語学習を始めて間もない頃、コミュニケーションがうまく取れずに笑われた経験などはありますか?

あんまりないですね。特にHelloTalk上や日本で外国人と話すときに、笑われる確立ってほぼゼロなんですよ。なんでかっていうと、HelloTalkにいる人は必ず言語を勉強したいと思っているので、、頑張って自分の国の言語を学んでいる人を笑う人はまずいないと思います。日本で外国人と交流するにしても、わざわざ日本に来ているのに、日本が嫌いなことって、よっぽどじゃない限りないですよね。なので、笑われることってほとんどないです。ただ、日本の多くの人は、笑われると思っているんですよ。そんなことはないということに気づくのが、大事ですね。

逆に、適当に留学に行っちゃう人は損してしまっていると思います。例えば、仮にアメリカに行ったら、日本人や東洋人を馬鹿にしている人だってたくさんいます。でも、日本に来ているアメリカ人は、絶対にそんなことはない。特に目的もなく中途半端に1ヶ月くらい留学に行くんだったら、僕は日本でアメリカ人を探した方がいいのになって思います。

ーー今はそれが簡単にできますしね。

そうですね。HelloTalkみたいなアプリもあるので、明確な理由がなければ、行く必要はないんじゃないかと個人的に思います。僕は行ったことないですし。

ーーもし、どこにでも留学できるチャンスを誰かからもらったとしたら、留学してみたいと思いますか?

語学学校であれば行きませんが、現地の大学に通うとか、現地で働くとか、いわゆる現地人の生活に根を付けられるようなのであれば考えます。でも、行った時に何が得られるかというゴールが見えないのであれば、行きませんね。お金も時間も相当かかりますから。20代って一年一年がすごい大事じゃないですか。それを外国に行って不完全燃焼で終わって帰って来たら、本当に損だと思うので。何のために行くのかという点は慎重に考える必要があると思います。ほとんどの人は留学から帰って来たら、Facebookでも日本人と遊んでる写真しかない人が多いじゃないですか。勿体無いなって思います。

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『純ジャパの僕が10ヶ国語を話せた 世界一シンプルな外国語勉強法』
秋山燿平 ダイヤモンド社 1300円(税別)

TOEIC300点台の両親のもとで育ち、海外留学経験もない「純ジャパ」が、独学で10カ国語を習得できた世界一シンプルな外国語勉強法! 必ず使う「200単語、30表現」を覚え、ひたすら使う。たったこれだけで、英語、中国語、フランス語、韓国語など、ほとんどの外国語は3か月で日常会話レベルに到達できる!(ダイヤモンド社公式ホームページより)

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Interviewed and written by Kaoru Nakano